『チェンソーマン』第1部もいよいよクライマックス。読者の度肝を抜いた第87話「チェンソーマン VS 恐怖の武器人間」を覚えていますか?
地獄から帰還した「地獄のヒーロー」ことチェンソーマン(ポチタ)の圧倒的な蹂躙劇。そして、かつてデンジの前に立ちはだかった強敵たちが、マキマの手駒として再集結するという絶望的な展開に、リアルタイムで読んでいた誰もが息を呑みました。
今回は、この第87話で明かされた衝撃の事実や、物語の根幹に関わる「四騎士」の謎について、深く掘り下げて解説していきます。
墓地に集結した最強の布陣とマキマの策略
物語の舞台は、静まり返った墓地。そこには、変わり果てた姿のチェンソーマンを迎え撃つために、マキマが用意した「最強の布陣」が揃っていました。
読者を最も驚かせたのは、すでに物語から退場したはずのキャラクターたちが、マキマの「支配」によって再び戦場に引きずり出されたことです。
- レゼ(ボム)
- クァンシ(弓矢)
- サムライソード(刀)
彼らお馴染みの顔ぶれに加え、火炎放射器、鞭、槍、長剣といった「武器」の悪魔の心臓を持つ者たちが、ずらりと並びました。この演出は、単なるファンサービスではなく、チェンソーマンという存在が「どれほど恐れられ、どれほど特別なのか」を強調するための絶好の舞台装置となっていました。
マキマは淡々と語ります。彼らは「人間でも悪魔でも魔人でもない存在」であり、かつては固有の名前を持っていたと。しかし、その名前はチェンソーマンによって食べられ、この世から消滅してしまったのです。
チェンソーマンに食べられた「名前」と存在の矛盾
ここで読者は一つの大きな謎に直面します。それは「チェンソーマンに食べられた概念は消滅する」というルールの例外です。
通常、チェンソーマンがその悪魔を食べてしまえば、その概念はこの世から消え去り、人々の記憶からも抹消されます。マキマが挙げた例では「ナチス」や「核兵器」などがそれに当たります。
しかし、武器人間たちだけは違いました。
「彼らの名前は、貴方に食べられて消えてしまいました。なのに、なぜか彼らは消えなかった」
この矛盾こそが、第87話における最大のミステリーです。武器という概念が、人類の歴史においてあまりに根深く、暴力の本質に密接に関わっているからなのか。あるいは、ポチタという存在が意図的にその「形」だけを残したのか。
この謎は、物語を読み解く上で非常に重要なパーツとなります。彼らがマキマに従順に従っている様子は、自由な意志を奪われた哀しき操り人形のようでもあり、その戦闘力の高さが逆に不気味さを引き立てていました。
初めて明かされた「四騎士」という巨大なキーワード
第87話で最も重要な伏線といえば、マキマの口から語られた「四騎士」という言葉です。
マキマはかつて、地獄においてチェンソーマンと戦った勢力について言及しました。そこには、支配の悪魔(マキマ自身)を含む「四騎士」と、武器の悪魔たちがいたというのです。
- 支配の悪魔
- 戦争の悪魔
- 飢餓の悪魔
- 死の悪魔
このヨハネの黙示録を彷彿とさせる4つの概念は、人類が抱く最も根源的な恐怖です。これら全てが束になってかかっても、チェンソーマンを完全に仕留めることはできなかった。それどころか、チェンソーマンは戦いの最中に姿を消し、瀕死の状態で現世に逃げ延びた……。
これが、物語冒頭でデンジが出会った「ポチタ」の真のバックボーンだったわけです。第1部を読み進めていたファンにとって、このピースがハマった瞬間は、まさに鳥肌ものでした。
圧倒的な蹂躙!チェンソーマン VS 7人の武器人間
マキマの合図とともに、壮絶なバトルが幕を開けます。7人の武器人間が一斉に変身し、それぞれの能力をフル活用してチェンソーマンを包囲します。
クァンシの超高速移動、レゼの爆発的な機動力、サムライソードの神速の居合い。これらはかつて、デンジたちが命がけで対処してきた「絶望」そのものです。しかし、真の姿を現したチェンソーマンにとっては、それすらも「余興」に過ぎませんでした。
特筆すべきは、チェンソーマン(ポチタ)の戦闘スタイルの残酷さと美しさです。言葉を発さず、ただひたすらに標的を解体していく姿は、神聖な儀式のような冷徹さを感じさせます。
マキマは冷徹にその戦いを見守ります。彼女の目的は、愛する(あるいは崇拝する)チェンソーマンを自らの手で支配し、彼が持つ「食べた概念を消去する力」を利用して、この世から不幸(死や戦争など)を消し去り、より良い世界を作ること。
その崇高とも狂気とも取れる目的のために、彼女はかつての敵さえも部品のように使い捨てるのです。
第87話が示す物語の深淵と考察
このエピソードは、単に「過去キャラが出てきて熱い」というレベルの話ではありません。藤本タツキ先生が描こうとしている「恐怖のヒエラルキー」が明確になった回でもあります。
武器人間たちは、それぞれが単体で物語のラスボスを務められるほどの実力者です。それが束になっても勝てない相手。さらにその相手を「支配」しようとするマキマ。
読者はここで、デンジという少年がいかに巨大な渦に巻き込まれていたかを再認識させられます。ポチタの心臓を狙う者たちの執念と、それを利用しようとする支配の悪魔の冷酷さ。第87話は、物語の解像度を一気に引き上げたターニングポイントだったと言えるでしょう。
また、この時に示唆された「四騎士」の存在は、後に連載が始まる第2部への非常に大きな布陣となっていました。第2部の主人公・三鷹アサに宿る「戦争の悪魔」や、不気味な存在感を放つ「飢餓の悪魔」など、この第87話でのマキマの独白がなければ、今の展開の重みは変わっていたはずです。
まとめ:チェンソーマン87話ネタバレ解説!武器人間再登場の謎とマキマが語る四騎士の正体
第87話は、激しいアクションの裏側で、チェンソーマンの世界観を決定づける重要な情報が凝縮された回でした。
消された名前の謎、武器人間たちの数奇な運命、そしてマキマが属する「四騎士」というカテゴリー。これらが絡み合い、物語は第1部のエンディングへと一気に加速していきます。
もしあなたが今、第2部を追いかけているのなら、改めてこの第87話を読み返してみてください。マキマが語った言葉の一つひとつが、現在の展開への壮大な伏線になっていることに気づくはずです。
ポチタがなぜこれほどまでに特別な存在なのか、そしてマキマが何を夢見ていたのか。その答えのヒントは、すべてこの墓地での決戦に隠されています。
次は、さらなる進化を遂げるチェンソーマンの戦いと、デンジ自身の心の再生について、じっくりと追いかけていきたいですね。

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