アニメ『チェンソーマン』第9話「京都より」を視聴して、背筋が凍るような感覚を覚えた方は多いのではないでしょうか。新幹線での絶望的な襲撃から一転、物語の主導権を一気に引き戻したマキマの「底知れぬ力」。
今回は、多くの視聴者が驚愕した第9話の展開を振り返りつつ、マキマが神社で見せた謎の能力や、その背後に隠された恐ろしい正体について徹底的に深掘りしていきます。
絶望からの生還と新幹線での惨劇
第9話の幕開けは、まさに地獄絵図でした。東京での公安対魔特異4課を狙った同時多発襲撃。デンジ、パワー、アキたちが銃弾に倒れる中、出張中だったマキマもまた、新幹線の中で刺客たちの銃撃にさらされます。
至近距離から頭部や胴体を撃ち抜かれ、誰の目にも「即死」と映ったマキマ。しかし、京都の駅に降り立った彼女は、返り血を浴びたスーツ姿のまま、何事もなかったかのように歩き出します。
このシーンこそが、マキマという存在が単なる「有能な上司」ではないことを示す最初の決定的な違和感でした。死んだはずの人間が平然と生き返り、恐怖を感じる様子もなく任務を続行する。この異常なまでのタフさは、彼女が人間を超越した何かであることを物語っています。
京都の神社で披露された「圧殺」の怪
京都に到着したマキマが向かったのは、見晴らしの良い高台にある神社でした。そこで彼女が行ったのは、現代の戦闘の概念を覆すような「遠隔攻撃」です。
マキマは地元の公安職員である黒瀬と天童に対し、ある準備を命じます。それは「標高の高い場所」と「終身刑以上の犯罪者」を用意すること。ここから始まる儀式のような攻撃シーンは、アニメ史に残る演出の冷徹さが光っていました。
恐るべき発動条件と対価
マキマが東京にいる襲撃犯たちを排除するために使った手法は、極めて呪術的で非人道的なものでした。
- 犯罪者の生贄: ターゲットの名前を犯罪者に復唱させ、その命と引き換えに対象を物理的に押し潰す。
- ハンドサイン: マキマが両手を合わせ、まるで何かを握り潰すような仕草をすると、数百キロ離れた東京の敵が「パンッ」という乾いた音と共に肉塊へと変わる。
この時、名前を呼ばれた犯罪者たちもまた、目や鼻から血を流して絶命します。自分の手を汚さず、他者の命を「弾丸」として利用するマキマのスタイルは、正義の味方であるはずの公安職員としてはあまりに異質です。
コベニの覚醒と「秘密」の片鱗
マキマが遠隔地から敵を削っていく一方で、現場の東京では東山コベニが驚異的な活躍を見せます。
普段は「辞めたい」「怖い」と泣き叫んでいるコベニですが、相棒の新井が盾となって命を落とした瞬間、彼女のスイッチが入りました。人並み外れた身のこなしでサムライソードを翻弄し、銃を構える沢渡アカネを圧倒する姿は、まさに「動ける臆病者」の真骨頂。
彼女が契約している悪魔は自称「秘密」とされていますが、その卓越した身体能力は、並のデビルハンターを遥かに凌駕しています。この第9話での戦いは、コベニというキャラクターが単なる賑やかしではないことを証明する重要なシーンとなりました。
マキマの正体「支配の悪魔」とは何か
物語が進行するにつれ、第9話で見せたマキマの行動のすべてに理由があったことが判明します。彼女の正体は、四騎士の一角である「支配の悪魔」です。
なぜ新幹線で撃たれても死ななかったのか。それは、彼女が当時の日本政府(内閣総理大臣)と交わしていた契約によるものです。彼女が受けるダメージは、適切な日本国民の病気や事故に変換される仕組みになっていました。つまり、日本国民が生きている限り、彼女は実質的に不死身なのです。
また、神社での遠隔攻撃についても、彼女自身の能力というよりは、彼女が「支配」している他の悪魔や人間を利用した複合的な力である可能性が高いと考えられています。彼女にとって、人間も悪魔も等しく「自分より下の存在」であれば自由に操れる駒に過ぎません。
盗聴能力と情報収集
神社にいながら敵の名前を正確に把握できていたのは、マキマが小動物や鳥、虫といった「下等な生物」の聴覚をジャックして盗聴していたからです。
第9話で彼女が見せた全知全能に近い立ち回りは、この「支配」による情報網があってこそのものでした。私たちはこの時、すでにマキマの手のひらで転がされていたのです。
9話で見えたチェンソーマンの世界観
『チェンソーマン』という作品は、魅力的なキャラクターたちが突然命を落とす、予測不能な展開が魅力です。しかし、第9話はその「予測不能さ」のベクトルが少し異なります。
それまでは「悪魔vs人間」という構図で見えていた物語が、マキマの介入によって「理解不能な上位存在vs有象無象」という構図に塗り替えられました。
マキマが神社で目を閉じて手を合わせる姿は、神々しくもあり、同時に悪魔よりも恐ろしい何かを感じさせます。チェンソーマンの単行本を読み返すと、この時の彼女の表情が、慈愛に満ちているようにも、完全に無関心であるようにも見えるのが非常に印象的です。
犠牲の上に成り立つ「平和」
マキマの攻撃によって、一時的に襲撃の脅威は去りました。しかし、その裏では30人以上の犯罪者が使い捨てられ、公安の仲間も多く失われています。
特異課を再編し、デンジを管理下に置き続けるマキマの真の目的。それは単なる悪魔退治ではありません。彼女が理想とする「争いのない世界」を作るためには、どんな犠牲も厭わないという冷徹な意志が、この第9話の神社シーンには凝縮されていました。
チェンソーマン9話の衝撃!マキマの能力の正体と京都での遠隔攻撃を徹底解説の最後に
アニメ第9話は、映像のクオリティ、音楽、そしてマキマ役の演技が相まって、原作読者であっても息を呑む仕上がりでした。
特に、血まみれの新幹線から降り立つマキマの優雅さと、神社で淡々と人を「潰していく」ギャップは、彼女というキャラクターの魅力を象徴しています。
マキマの能力の正体を知った上でこのエピソードを観返すと、黒瀬や天童に見せていた「協力的な態度」さえも、すべては彼女の壮大な計画の一部だったのではないかと邪推してしまいますね。
物語はここからさらに加速し、デンジたちの運命はマキマという巨大な渦に巻き込まれていきます。次に彼女がどんな「支配」を見せるのか、その一挙手一投足から目が離せません。
あなたはマキマのあの力を初めて見たとき、どう感じましたか?あの静かな恐怖こそが、本作が名作と呼ばれる所以(ゆえん)なのかもしれません。

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